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    ■2007/08/01(水) 慰安婦決議各新聞の掲載など

    決議の記事と社説を載せてみます。



    決議の記事


    朝鮮日報
    慰安婦:米下院、満場一致で決議案採択

    米国下院は30日午後3時11分(韓国時間31日午前4時11分)、日本軍性奴隷(慰安婦)決議案を本会議に公式に上程し、満場一致で通過させた。
    米国議会で日本軍性奴隷決議案が本会議に上程されたのは史上初めてだ。

    米国下院のトム・ラントス外交委員長は冒頭で「第2次世界大戦当時、日本軍が占領したアジアと太平洋の島々で若い女性を性奴隷として強制的に動員したいわゆる慰安婦問題について、日本政府は明白ではっきりした姿勢で歴史的責任を公式に認め、謝罪することを受け入れなければならない」と語った。
    決議案を発議したマイケル・ホンダ議員も「歴史には時効がない。日本政府は反人倫的人権侵害に対して明確な謝罪を行うべきだ」と述べた。

    ファリオマベガ議員は「これまで日本が慰安婦問題について謝罪したという内容はすべて個人の見解であり、日本政府と首相の公式の謝罪ではなかった。過去の過ちを認めよ」と促した。

    トマス・デービス議員は「性奴隷事件は人間が人間に犯し得る最も残忍なことだった。
    この地球上で再びそのようなことが起こってはならない」と強調した。

    スティーブ・ピアス議員は「日本はわれわれにとって重要な友邦だ。友人よ、今は事実を認めて謝罪する時だと言いたい」と述べた。

    ウルシー議員は「一つ重要な教訓は、女性は戦利品ではないということだ。これまで忍耐をもって最後まで戦ってきたイ・ヨンスさんのご苦労に感謝する」と述べた。
    ジャクソン・リー議員も「慰安婦問題は女性を性奴隷としたものだ。今日この日を迎えることができず、すでにこの世を去った慰安婦女性のためにこの決議案をささげる」と述べた。

    米下院関係者たちは「下院指導部が友邦である日本の選挙を考慮し、先月に下院外交委員会を通過したこの決議案の本会議上程を、今月30日に延期した」と述べた。

    日本政府は、日本軍性奴隷決議案通過阻止のため米議会に対して執拗(しつよう)にロビーを繰り返してきたが、米国下院は議事進行中に日本政府が心からの謝罪をしていないと非難した。

    この日、本会議に上程された決議案は、日本軍性奴隷問題を20世紀最大の人身売買事件と規定し、日本政府は日本軍性奴隷強制動員を否定する主張について公式的に反論すること、今の世代と未来の世代に対して教育することなどを要求した。

    この決議案はさらに、日本軍性奴隷問題について十分に謝罪したという日本政府の主張に対する疑惑が解消するよう、日本の首相が公式の声明を出すべきと促した。

    ワシントン=崔宇晢(チェ・ウソク)特派員






    中央日報
    米下院「慰安婦決議案」満場一致で可決

    米国下院は30日午後(現地時間)、日本軍慰安婦に対する日本政府の公式謝罪を要求する「慰安婦決議案」を満場一致で可決した。

    慰安婦決議案が米国議会で採択されたことは今回が初めてだ。
    慰安婦決議案は1997年以来、10年間6回や下院に提出されたが、日本の強いロビーで全体会議には上程さえできなかった。

    下院全体会議はこの日午後3時13分ごろ、決議案に対する賛否を問う形式の表決を通じて決議案を通過させた。
    全体会議では「反対見解があるのか」という問いに誰も答えなかった。

    表決に先立ってトム・ラントス下院外交委員長は決議案に対する初支持発言を通じて「どんな国でも過去を無視することはできない。
    ドイツは第2次大戦後過去を反省する正しい選択をしが、日本は歴史的忘却をけしかける態度を見せた」と指摘した。
    「日本軍の慰安婦たちが強圧なしに自発的に売春行為をした」という日本側の主張に対し「強制婦女暴行(rape)という単語の意味を知らない強弁」だと批判した。
    また日本の一部議員たちがワシントンポストに出した広告を通じ「慰安婦たちが当時、自発的に売春行為をした」と主張したのに対し「怒りを覚えること」とし「下院が決議案を支持してください」と言った。

    決議案を発議した日系3世であるマイケル・ホンダ議員は「歴史的過ちに対する和解の初歩は傷の治癒」とし「日本政府は慰安婦の苦痛に対し、明白に公式的に謝るべきだ」と強調した。
    ホンダ議員は下院東アジア太平洋小委員会で証言した慰安婦出身イ・ヨンスさんらの勇気に敬意を表した。

    ホンダ議員が1月に発議したこの決議案はこれまで下院議員435人のうち3分の1を超す168人が共同発議者として参加した。決議案は先月26日下院外交委で賛成39票、反対2票の圧倒的票差に可決された。当時ナンシー・ペロシ下院議長は直ちに支持声明を発表した。
    日本政府はこれまで「慰安婦強制動員はなかった」とし、ロビー会社などを通じて決議案通過阻止ロビーをしたが、むしろ米議会の反発を買っただけだった。

    決議案は太平洋戦争当時、日本の慰安婦強制動員を「20世紀最大の人身売買事件の1つ」と規定した。それとともに日本の一部教科書が慰安婦動員と日本の戦争犯罪を縮小しようとしていると指摘した。

    これとともに日本政府に▽昔の日本軍が若い女性たちを性奴隷として強制動員した事実を日本の首相が公式声明を通じて認定、謝罪し、歴史的責任を負う一方、▽これを否認する主張を公開的に反論し、日本の未来世代にこれを教育せよ−−と要求した。決議案は、法的拘束力はないが過去を歪曲してきた日本政府の無責任な態度を国際社会に喚起することであり、意味が大きいというのが米議会関係者たちの評価だ。






    聨合ニュース
    青瓦台「日本政府の変化に期待」、慰安婦決議で

    【ソウル31日聯合】米下院が従軍慰安婦の強制連行に関し日本政府の公式謝罪を求める決議案を満場一致で採択したことについて、青瓦台(大統領府)の千晧宣(チョン・ホソン)報道官は31日、歓迎の意を示すとともに、「正直に歴史を見ることこそが最も良い和解の方法。こうした事実を日本政府も知らなくはないだろう」と述べた。
    同日午後、定例会見で口頭論評したもの。
    千報道官は「日本政府の変化した姿に期待する」と述べ、日本の対応を促した。






    時事
    2007/07/31-10:58 米下院、慰安婦決議を採択=本会議で初、日本に謝罪要求−安倍政権に打撃

     【ワシントン30日時事】米下院は30日午後(日本時間31日未明)の本会議で、従軍慰安婦問題に関する対日謝罪要求決議案を採択した。
    慰安婦問題をめぐり、下院本会議で決議が採択されたのは初めて。
    決議に法的拘束力はないが、参院選の与党惨敗で政権基盤の弱まった安倍晋三首相にとっては大きな打撃で、同盟強化を進めてきた日米関係に影響が出る可能性もある。
    決議の採決は発声投票により実施。
    出席議員から「異議」は出されず、議会規則が定める「3分の2以上の賛成」が認定され、全会一致に近い形で採択された。






    毎日
    慰安婦問題:米下院が対日謝罪要求決議を採択

     【ワシントン及川正也】米下院は30日の本会議で、第二次大戦中のいわゆる従軍慰安婦問題をめぐる対日謝罪要求決議を採択した。
    同決議の本会議採択は初めて。決議に法的拘束力はないが、参院選で惨敗した安倍政権の外交政策や日米関係に影響が出る可能性もある。

    決議は発声投票により圧倒的賛成多数と認められた。
    採決に先立つ討論でラントス下院外交委員長(民主)は「日本政府が明確な謝罪を拒んでいることに、日米関係を重視するすべての人が困惑している。
    日本国内で続く歴史をねじ曲げようとする試みはとても不愉快だ」と批判した。

    決議は日系のマイケル・ホンダ議員(民主)が1月末に提出。
    旧日本軍が若い女性を「慰安婦という性奴隷制」のもとに強要したと非難し、日本政府に「明瞭(めいりょう)かつ明確な方法での公式謝罪」などを要求している。

    決議は6月26日の下院外交委員会で一部修正のうえ賛成39、反対2で可決。
    ペロシ下院議長(民主)も支持していた。


    日本政府は「決議は客観的な事実に基づいておらず、日米関係に悪影響を与える」と採決しないよう繰り返し要請。
    日系のダニエル・イノウエ上院議員(民主)も「94年以来、歴代首相が謝罪してきた」と決議に反論する声明を上院に提出している。

    与党・共和党を中心に慰安婦決議が日米関係に悪影響を及ぼすことを懸念する見方も強く、31日の下院外交委ではブッシュ政権が主導する「対テロ戦争」への日本の貢献を評価する決議案が可決される見通しだ。

    米議会では過去に慰安婦決議が4回提出されたが、本会議の採決には至らなかった。

    毎日新聞 2007年7月31日 11時06分 (最終更新時間 7月31日 11時51分)






    朝日
    米下院が従軍慰安婦決議を採択

    米下院は30日の本会議で、従軍慰安婦問題について日本政府が歴史的責任を認め、公式に謝罪するよう求める決議を採択した。
    同様の決議案は01年から4回提出され、いずれも廃案になっていたが、民主党主導の議会で安倍首相の発言に対する反発が広がり、初めて本会議で採択された。
    法的拘束力はないものの、採択の回避に向け、訪米の際に米議会幹部に直接説明し、「理解していただいた」とする首相にとって更なる痛手になりそうだ。

    下院外交委員会は6月26日に39対2の大差で決議案を可決。
    本会議でも3分の2以上の賛成が見込まれたことから、今回の採決は発声投票で行われた。出席議員から異議は出なかった。

    決議は、「旧日本軍が若い女性に性的な奴隷状態を強制した歴史的な責任」を日本政府が「明確な形で公式に」認め、日本の首相が謝罪声明を出すよう求める内容。
    1月末に日系のマイク・ホンダ議員(民主)が提出した。

    日本政府は「これまで謝罪しており、決議案は不必要で、事実と異なる」と訴えた。
    だが、安倍首相は3月1日、軍当局の関与と「強制性」を認めた93年の「河野官房長官談話」に関連して「強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実ではないか。
    定義が変わったことを前提に考えなければならない」と発言。自民党内に河野談話を見直す動きもあり、従来の日本政府の謝罪に留保をつけ、修正しようとする発言と受け取られた。

    決議案の共同提案者は下院(定数435)のうち民主、共和両党の167人に達した。
    そのうち142人は安倍首相の3月1日の発言後に共同提案者となっている。

    安倍首相は4月下旬の訪米時にペロシ下院議長(民主)やブッシュ大統領らを前に謝罪を表明。
    一時は沈静化したが、日本の国会議員らが6月14日付の米紙ワシントン・ポストに、決議案は「現実の意図的な歪曲(わいきょく)だ」とする意見広告を出し、議会内の反発が再燃した。

    ホンダ議員は30日、決議の採択後に議会内で会見し、
    「この決議は日本の人々を責めているのではない。
    日本政府の過去に対する姿勢の問題だ。安倍首相が私たちの言葉に耳を傾けることを期待している」
    と語った。

    下院指導部は参院選への影響を避けるため、本会議採決を選挙後に先送りし、日程の公表も投開票後にするなど配慮を見せていた。
    日米関係への悪影響を懸念する声もあり、31日の下院外交委員会では日米同盟の重要性を評価する決議案も採決される予定だ。






    東京新聞
    米下院が慰安婦決議採択 日本政府に謝罪要求

     【ワシントン=小栗康之】米下院は三十日午後(日本時間三十一日未明)の本会議で、第二次世界大戦中の従軍慰安婦問題に対し日本政府の公式謝罪を求める決議案を採択した。
    同趣旨の決議が採択されるのは米国史上初めて。
    決議採択の回避を目指してきた安倍政権にとっては、参院選での惨敗に続く大きな打撃となる。 

    決議は、日系で民主党のマイク・ホンダ下院議員(カリフォルニア州選出)が一月に提出。
    「日本政府は旧日本軍の性的奴隷とする目的で若い女性を徴用することを委託した」と指摘し、日本政府に対し「明白な方法」によって歴史的事実を明確に受け入れ、謝罪するよう求めている。

    安倍晋三首相が三月に従軍慰安婦に対する「強制力はなかった」と発言したことへの批判などから決議採択に対する支持が拡大。
    民主、共和両党の百六十七議員が共同提案者に名前を連ね、六月二十六日の下院外交委員会の採決では、両党の圧倒的多数で可決していた。

    三十日の本会議採決は発声投票で行われ、出席者から異議はなく、事実上の全会一致で採択された。

    採択に先立ち、民主党のラントス下院外交委員長は決議の趣旨説明で「歴史をねじ曲げ、破壊し、犠牲者を非難する日本国内の取り組みは気分が悪くなる」と非難。日本政府に公式謝罪をあらためて求めた。

    下院本会議での採決は当初、七月中旬に行われる見通しだったが、参院選への影響を回避するため、参院選終了直後の三十日に先送りした。

    また、下院外交委員会は、日米同盟関係の重要性をアピールする決議案の採決を三十一日にも行う見通しで、日本政府に対し一定の配慮をみせた。






    読売
    米下院で慰安婦決議、公式謝罪要求…本会議で初の採択

    【ワシントン=五十嵐文】米下院は30日午後(日本時間31日未明)の本会議で、旧日本軍によるいわゆる従軍慰安婦問題で日本に公式謝罪を求める決議案を採択した。

    慰安婦問題をめぐる対日批判決議の下院本会議での採択は、初めて。
    決議に法的拘束力はないが、安倍首相にとっては参院選での与党惨敗に続き、外交上の痛手が重なった。

    決議は、1930年代から第2次大戦にかけて、旧日本軍が若い女性を「性的奴隷」にした「慰安婦制度」について、「20世紀最大の人身売買事件の一つ」と位置づけた上で、日本政府に公式かつ明確な謝罪や、歴史教育の徹底などを要求している。

    決議は日系アメリカ人のマイケル・ホンダ議員(民主党)が1月に代表提案者として提出し、外交委員会で6月26日に39対2の賛成多数で採択された。
    共同提案者は30日現在で167人に達した。


    安倍首相は4月の初訪米の際、ブッシュ大統領やナンシー・ペロシ下院議長(民主党)ら議会指導部との会談で、元慰安婦へのおわびを表明。
    加藤良三・駐米大使らも、「客観的事実に基づかない決議採択は、日米関係にいい影響を及ぼさない」として、採択回避を議会に強く要請した。

    この日の決議は、手続きが簡略化され、発声方式で行われた。
    実際に本会議に出席した議員は数人で、採択に際して異議は出されず、議長が可決と認定した。


    下院指導部は参院選への影響を避けるため、本会議採択の日程を選挙後の30日に設定。

    また、31日には、日本のイラクやインド洋での国際貢献を評価し、日本が「米国にとって最も信頼できる安全保障上のパートナー」であることを確認するジム・サックストン議員(共和党)提出の別の決議案を下院外交委員会で採択する予定で、日本に一定の配慮を示した。






    産経
    慰安婦決議案採択 米下院

     【ワシントン=有元隆志】米下院は30日の本会議で、慰安婦問題に関する対日非難決議案を採択した。
    決議に法的拘束力はないが、日本政府に公式謝罪を求めている。
    決議案の共同提案者は下院議員総数435人のうち167人に上ったものの、決議案が採決された際に本会議場にいたのは、わずか10人程度。
    発声による投票の結果、出席者から異論は出なかったため採択された。

    ペロシ議長ら下院指導部は、参院選に影響を与えることを避けるため、採決の日程を選挙後の30日に設定した。
    上院には提出されていない。

     この日、ラントス外交委員長(民主党)が趣旨説明を行った後、決議提案者のホンダ下院議員(民主)らが演説した。
    共和党からもロスレイティネン外交委筆頭理事らが賛成演説を行った。
    反対演説はなかった。

    ホンダ議員は採択後の記者会見で、「決議は日本政府に対し、公式で明確な謝罪を慰安婦に行うよう求める強いメッセージだ」と述べ、日本政府の公式謝罪を求めた。

    慰安婦問題をめぐっては、安倍晋三首相が4月末に訪米した際、ペロシ議長ら議会指導者との会談で、「人間として首相として心から同情している。そういう状況に置かれたことに申し訳ない思いだ」と語った。

    ブッシュ大統領は首脳会談後の共同記者会見で、「首相の謝罪を受け入れる」と首相の対応に理解を示しており、日米政府間では事実上解決済みとなっている。

    これまで慰安婦決議案は4回提出され、昨年秋には外交委で可決されたものの、本会議では採決されず廃案になった。

    一方、下院外交委員会は31日、アジア・太平洋地域の安定強化や、テロとの戦いにおける日本の役割について謝意を示す決議案を採決する。
    ラントス委員長やホンダ議員も共同提案者となっている。
    慰安婦決議で日本非難をしたため、日本への謝意を示すことでバランスをとるねらいがあるとみられる。






    以上
    記事のまとめです。

    大き目の太字が今回強調したかったことです。
    朝鮮メディアが実際の採決に参加した人数を書かず全会一致と書くのは理解しますが日本のメディアは、下院外交委員会の時の賛同者の数は詳しく書く割に今回の決議については「ほぼ全会一致」やら「3分の2以上の賛成」やらで実際の決議に参加した人間の数字を隠すメディアばかりです。

    実際にどれだけ参加したかを書いたのは読売と産経だけ。


    社説


    朝日
    慰安婦決議―首相談話でけじめを

    米下院本会議が、旧日本軍の慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める決議を採択した。
    決議は「残虐性と規模は前例がない。20世紀最悪の人身売買事件の一つ」とまで述べている。

    日本政府は93年の河野洋平官房長官談話で、旧日本軍の関与を認め、謝罪した。
    それを受けて官民合同のアジア女性基金を設立し、元慰安婦に償い金と一緒に、首相名のおわびの手紙も渡している。
    米側がこうした取り組みを十分に評価していないのは、残念なことだ。

    しかし、過去の日本をこれほど糾弾する決議が採択されたのは、日本の側にも原因がある。
    そのことを厳しく見つめなければならない。

    河野談話は、様々な証言や証拠を吟味した結果、軍の関与を認めたうえで、慰安婦の募集や移送、管理などで全体として強制性があったと述べた。
    日本政府としての公式見解である。

    ところがその後、一部の政治家やメディア、学者らから、河野談話を否定したり攻撃したりする発言が相次いだ。
    そうした勢力の中心メンバーの1人が、首相になる前の安倍氏だった。

    米国内には、日本が戦前の価値観を引きずっているのではないか、という不安がある。
    小泉前首相の靖国参拝に対し、有力議員が日本の駐米大使に懸念を伝える書簡を送ったのは、その表れだ。
    安倍首相の登場は米国の警戒心を高めた。

    首相になった安倍氏は「河野談話の継承」を表明した。
    ところが、当局が人さらいのように連行する「狭義の強制性」はなかった、などと言うものだから、決議の動きに弾みをつけてしまった。
    木を見て森を見ない抗弁だった。

    さらに決定的だったのは、国会議員や首相の外交ブレーンらが反論広告をワシントン・ポスト紙に掲載したことだ。

    今回の決議を採択した本会議で、民主党のラントス下院外交委員長は、こうした反論広告などについて、「歴史をゆがめ否定する日本の一部の試みには吐き気をもよおす」と述べた。

    「価値観外交」を掲げる安倍首相は「日米は価値観を共有する同盟だ」というのが持論だ。
    自由や民主主義といった理念で共通していると強調する。


    だが、こうした価値観を共有するためには、自由や人権を抑圧していた戦前の軍国主義を総括し、きっぱりと別れを告げる必要がある。

    慰安婦問題で旧日本軍をことさらに弁護することは、自由や人権の抑圧を肯定するかのように受け取られてしまう。
    それはいま日米が共有するはずの価値観に反するということを、安倍首相らは知るべきだ。

    決議は首相に謝罪を求めている。
    首相の沈黙は逆効果になるだけだ。
    河野談話の継承を疑われているのならば、同じような内容を安倍首相の談話として内外に表明してはどうか。
    それがいま取りうる最善の道だろう。






    読売
    慰安婦決議 誤った歴史の独り歩きが心配だ(8月1日付・読売社説)

     明らかな事実誤認に基づく決議である。
    決議に法的拘束力はないが、そのまま見過ごすことは出来ない。

    米下院本会議は、いわゆる従軍慰安婦問題について、日本政府に対して公式な謝罪を求める決議を採択した。

    決議は、旧日本軍が、アジア各地の若い女性たちを慰安婦として「強制的に性的奴隷化」したと非難している。

    当然のことながら、日米同盟は、日本の国益上、きわめて重要な意味を持つ。
    日米両国は、軍事的、経済的に緊密な関係にあるだけでなく、民主主義、人権といった価値観も共有している。


    しかし、事実誤認には、はっきりと反論しなければならない。
    誤った「歴史」が独り歩きを始めれば、日米関係の将来に禍根を残しかねない。

    慰安婦問題では、1990年代初め、戦時勤労動員だった「女子挺身(ていしん)隊」が日本政府による“慰安婦狩り”制度だったとして、一部の新聞が全く事実に反する情報を振りまいた経緯がある。

    さらに93年に発表された河野官房長官談話には、官憲によって慰安婦が「強制連行」されたかのような記述があり、国内外に誤解を広めた。

    だが、慰安婦の強制連行を裏付ける資料は、存在しなかった。
    日本政府も、そのことは繰り返し明言している。

    他方で日本国内にも、全体として「強制性」があったとする主張もある。
    しかも、「強制性」の具体的内容の説明をしないまま、米議会の決議を当然視するような論調を展開している。

    決議は、「慰安婦制度は20世紀最大の人身売買の一つ」としている。

    そうした“慰安”施設は、旧日本軍に特有のものではなかった。
    戦後、米占領軍は、日本の“慰安”施設を利用した。
    朝鮮戦争当時、韓国軍もその種の施設を持っていたことが、今日では明らかにされている。

    第2次大戦中、ドイツ軍にも“慰安”施設があり、占領された地域の女性が組織的・強制的に徴集された。

    なぜ、日本だけが非難決議の対象とされるのだろうか。

    決議の背景には、提案者のマイケル・ホンダ民主党議員を全面的に支援する中国系の反日団体の活発な動きがあった。
    ドイツについては同様の運動団体がないせいだろう。
    もちろん、米軍の“道義的”責任を追及する団体はない。


    民主党優位の米議会では、今回のような決議が今後再び採択されかねない。
    日本の外交当局は、米側の誤解を解く努力が、まだまだ足りない。






    東京新聞
    従軍慰安婦決議 歴史は学べ何度でも

    後世に裁かれる歴史というものがある。
    米下院が日本政府に公式謝罪などを求めた第二次大戦中の従軍慰安婦問題は、日本と日本人にとっても不幸な歴史だったともいえる。
    直視していくべきだ。

    米下院本会議で採択された従軍慰安婦決議は
    「従軍慰安婦制度は二十世紀最大の人身売買制度の一つ」
    「日本政府は歴史的な責任を認め、公式に謝罪すべきだ」
    「日本政府は現在および将来の世代にこの恐ろしい犯罪を伝え、元慰安婦に対する国際社会の声に耳を傾けるべきだ」
    などの内容である。

    六月、下院外交委員会で対日謝罪要求決議案が採択されて以来、日本政府と日本に理解を示す共和党関係者を中心に本会議での採択回避の働きかけが行われてきた。

    しかし、下院の主導権を握る民主党は議長をはじめ採択に積極的だったとされ、ラントス下院外交委員長は日本の取り組みに非難の言葉を浴びせている。

    決議には「日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定の要」との文言が添えられ、採択は日本の政治事情から参院選後に先送りされる配慮はあったものの、決議そのものが極めて残念だ。

    決議に法的拘束力はなく、米議会でよくある採択の一つとの見方がある。背景には韓国、中国系有権者を意識しての選挙絡みの思惑や決議に歴史事実の誤解があることも伝えられるが、決議は米国民を代表する議員の意思表示で、重い。
    重要な同盟国からの忠言のニュアンスもあり、真剣に受けとめるべきだ。

    従軍慰安婦問題で、日本政府は一九九三年の河野談話で「心からおわびと反省の気持ちを申し上げる」と謝罪し、民間によるアジア女性基金を設け、歴代首相がおわびの手紙を出すなど可能な限りの活動と誠意を示してきた。

    河野談話をめぐって一部の反発はあるが、軍による強制の有無以前にその意思に反して強いられた大量の従軍慰安婦が存在し、慰安婦システムそのものを黙認したこと自体が人道に反し、後世に裁かれるべき歴史の暗部であったことに異論はないはずだ。
    時代のせいにはできない。


    就任前の安倍晋三首相の河野談話への批判や就任後の「狭義の強制性」否定が反省なき日本という誤解を与えたといわれる。
    日本の反省が受けとめられず、対日非難が蒸し返されることに真の問題がある。


    日中戦争の盧溝橋事件から七十年、加害の歴史は忘れがちだ。歴史は何度でも学ぶ必要がある。
    建設的未来のために。






    産経
    【産経抄】8月1日

     くだらない人間が根も葉もないことをあれこれ騒ぎ立てても放っておくのが大人の対応というものである。
    ムキになって青筋立てて反論しては相手の思うツボだ。
    というのは百も承知の上でだが、米議会はなぜかくも愚かな選択をしたのだろう。

    ▼日本時間のきのう、米下院本会議で採択された慰安婦決議は、「性的奴隷」といったまがまがしい単語がちりばめられ、理性のかけらもない。
    第一、何を証拠に「20世紀最大の人身売買」と断定しているのかさっぱりわからない。
    北朝鮮お得意の反日プロパガンダ(宣伝)とうり二つだ。


    ▼その一方で、下院外交委員会は、アジア太平洋地域の安定や、テロとの戦いでの日本の役割に謝意を示す決議案を採択したそうだが、御為(おため)ごかしとはまさにこのことだ。
    同盟国の先祖の顔に泥を塗ったうえで、握手しようというのだから、厚顔ぶりにあきれてしまう。

    ▼これまで小欄は、読者のみなさんから「対米追従が過ぎるのではないか」といったおしかりの手紙やメールを多数いただきながらも、国益のためには、イラクなどで米国が展開しているテロとの戦いに日本も全面協力しなければならない、と繰り返してきた。
    だが、それも日米の信頼関係あってのことである。

    ▼折しもテロ対策特別措置法の期限切れが迫っている。
    参院選で大勝利した民主党の小沢一郎代表は、延長に反対の方針を明確にした。
    臨時国会の状況次第では、インド洋で米英艦艇を支援してきた自衛艦は撤収に追い込まれかねない。

    ▼慰安婦決議をきっかけに日本でも反米感情が高まれば、アジアの平和と安定を支えてきた日米同盟は、風前のともしびとなる。
    それを喜ぶのはいったい誰か。
    米議会人は胸に手をあてて反省すべきだろう。





    以上

    面白いのは朝日と読売かな。

    どちらも日米関係を考えるなら価値観を共有しろという感じですが、
    朝日:慰安婦を認めて安部は再度謝罪の談話をしろ
    読売:誤りは正す必要があるので誤りを正す努力をしろ
    という感じで言ってることが逆。

    産経と東京新聞についてはコメントありません。
    両方いつもどおりなので。
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